#3 エウイア正門にて
ウイングラード騎皇帝王国・初代騎皇帝エウイアの銅像をてっぺんに、ロンドロンドのお城の正門が、そびえたっていた。
かたわらに門番の、おばはんなんか咲いて。
からーん、からーん。
鐘よ、鐘よ。
ケンヤ、ガンマ、アルシャーナ。
少年ふたり、少女がひとり。
3人の「蒼いそよ風」が、正門エウイアアーチを吹いていた。
ガンマのお世辞からご挨拶。
「おねえちゃん、こんちはー」
「あらいやだ、おねえちゃんだなんて。あんたたち、どっからきたの」
「ニポニアからきたんだ」
「いれてー」
「オレたち、お城の偉い人に、用があるんだ」
「うそばっかり」
「うそじゃないよー。オレたち、“蒼いそよ風”」
「“蒼い風”の真似なんかしても、だーめ。“蒼い風”は、滅んじゃったんだから」
ケンヤの胸には、血の誇り・ブルーファルコンをかたどった青い紋章が1羽。
おばはんは、これを見て、子供が“蒼い風”ごっこをしているのね、と感じたのだ。
「さ、おかーさんが心配するから、おうち帰んなさい」
おかーさんも、おとーさんも、いないよ。
まして遊びなんかじゃないよ、おばはん。
わかっちゃくれない、らちあかない。
大変なんだぞ。魔王がなあ!魔王がなあ!
…そんなこんなで、奮闘、奮闘。
そのあげく、やっとのことで入れた、たどりついたひとつのオウチ。
「王宮」とよばれるオウチでの、物語。
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