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ピー・・・ガガガガ・・・キュイーン・・・
「N(エヌ)・D(デー)・I(ワン)・H(エイチ)。 N・D・I・H。 こちら、二ポニア下界(ドカニアルド)第一放送です。一体何が起こったのでしょうか。ただいま現地のアサニポ魔報新聞(まほうしんぶん)ドン・グリーラン支局・クメシロヒと魔法中継が繋がっています。聞こえますか、クメさん。クメさん聞こえますか?」
「いやあ、はい、クメです。クメシロヒでございます。いやあ、クメシロヒの魔法ラジオなんですけどね。今夜は『いやあ、クメシロヒの魔法ラジオなんですけどねスペシャル』ということでですね。私はいまドン・グリーランの都の噴水広場に来ています。私もさっきまでちょっと消されてたんですけどね、ちょっとなんか復活したみたいです。えー、この通り現地の方々は、飲めや歌えや、すごいお祭り騒ぎです。何が起こったのか詳しいことはわからないのですが・・・、あ、いま、現地の方の話した情報が入って参りました。えー、ええ? あ、なんと、魔界(ヴィルパイアー)軍が下界(ドカニアルド)のどこかの軍勢に敗れたらしいということです。ほー。それでこの騒ぎですね。あ、あそこで、ヤキソバ屋台の隣でひとりヤキソバとプリンを食べてるロングヘアーの少年が。・・・なんだか私の知ってる青年と、瓜二つの子供です。鎧もそっくりですねえ・・・。少し怪我してます。泣いてます。何か事情を知ってるかもしれません。聞いてみましょう。ねえボク、今回の合戦で勝利したのは、一体どなたの率いた大軍勢なのかなあ?」
「ああん? ヤンケだヤンケ!!」
「ヤンケ=ダ=ヤンケ?」
「ヤンケだ! ヤンケ!! ・・・っつーか、泣いてねえよ、クメ!!」
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翌朝。
「謎の猛将ヤンケ=ダ=ヤンケ率いる大軍勢、下界(ドカニアルド)を救う」という第一報の大見出しのアサニポ魔報新聞が、下界(ドカニアルド)中を駆け巡った。
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数ヶ月後になって、ようやく正確な情報が小さく報道された。
しかし結局この一日に起こった戦いは「ヤンケ大戦」という名前で周知されてしまい、年表にも教科書にもその名で記されている。
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