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続いて、場面変わりここは、神界(カーミリア)。
この事態である。
聖神界(せいしんかい)の天界神(てんかいしん)リードセイガーのもとへ、天界庁長官エリオンが駆け込んでいた。
エリオンは悲痛の声で言った。
「・・・ご無念です・・・リードセイガー様・・・」
下界防衛公団は、総力を犠牲にして魔界神を再度封印する作戦「団令四二七号」に出たのだが、この通り失敗に終わったのだ。
下界防衛公団は天界神リードセイガー直属の秘密機関である。
そのリーダーのフウラは、かつて魔界神(アークカイザー)を倒し、それから更なる強さを得ていた。だが敗れたのだ。
天界神(リードセイガー)は呆然と呟いた。
「下界防衛公団が・・・敗れるとは・・・」
天界神お付きの天使・ラブとピースが、黙って涙を拭いた。
エリオンは目を白黒させて言った。
「これではアークカイザーは十二万年ぶりに野放しですよリードセイガー様。全次元の危機です。全ゼプティム界の危機です。
もはや天魔大戦(てんまたいせん)の停戦失効もあり得る前代未聞の事態です。やむを得ません。界上公安局を呼びます。魔界(ヴィルパイアー)軍に備え、天界(エリシオン)軍の出動待機命令を・・・」
「まあ待てエリオン。まだ早い」
「エッ」
「もう少し、下界(ドカニアルド)の様子を見よう。まだ下界(あそこ)には・・・あれがある」
「あれですか」
「あれだ」
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