「・・・受精卵が・・・あの・・・ブルーファルコンを・・・
しかも・・・暴走もせず・・・安定しとる!」
ガンマが衝撃を叫んだ。
「まさか・・・
いや・・・間違いねえ・・・。 新たなる風帝の魂だ・・・!」
ジョーは、その生命に、素直に感動を覚えていた。
「そうか・・・そうだったのか・・・セシリアーナ・・・」
クラークは当初、なぜ妹が腹部でブルーファルコンを放てるのかを理解できなかったが、やがてそれに気付き、涙を流した。
そういえば彼女は去年「元服の儀」を済ませた成人だったのだ。
はやくも風帝として目覚めたその戦士は、母親の卵管で受精卵になったばかりだった。
だが、遺伝子と本能により、目覚めたのだった。
新風帝の代理人たるセシルが、言った。
「この子の名前は、ファイター」
ファイターと名付けた。
受精卵になったばかりなのに戦おうとしている勇敢な子だ。
だからセシルは、すぐに名付けることが出来た。
「神を波(は)するは風の鼓動。
風帝! 風波聖卵(カザナミエクスエッグス)、ファイター!!!!」
ザッ!!!
大切な仲間である母子を守るように、
ガンマとジョーと、クラヴァルに合体したクラークとヴァルが、盾として、セシルとファイターの前に立った。
姿が変わった。
三帝の姿も再び、聖帝の鎧となった。
そして三帝が名乗った。
「光を閃じて闇斬る刃(やいば)。
光帝! 光刃聖武士(コウジンエクスウォリアー)、ジョー!!」
「術し御するでナニワの雷(いかずち)。
雷帝! 御雷聖術士(ミカヅチエクスウィザード)、ガンマ!!」
「紅(くれない)燃えて炎闌(えんたけなわ)。
滅びよと討つ幻は影。
炎帝! 紅炎幻影聖騎討士(グレンゲンエイエクスナイトスレイヤー)、クラヴァル!!」
そしてセシルも、名乗った。
「勇気・細腕・あたしの波濤。
波帝! 細波聖剣士(サザナミエクスフェンサー)、セシル!!」
ジョーが蒼い風の旗をゾン、と掲揚した。
「蒼い風五聖帝・・・開陣!!!」
のほほほほほほほほほ、と、アークカイザーが笑った。
「これは驚いたぞ・・・苦しゅうない!
天神(リードセイガー)の鳥飼(とりかい)達よ・・・。
朕とその従僕共の前に、まかり通るがよい!!」
魔界軍は新生五聖帝の始陣を受けた。
「・・・受陣!!」
「超魔神・・・ アークカイザー」
「赤刻法者(シャッコクウォーロック) ネオガーザム」
「銀翼聖者(ギンヨクセイント) ヴィリオン」
「白念賢者(ビャクネンセージ) ゾルザム」
「蒼星忍者(ソウセイニンジャ) ヒシャマル」
そして、戦いが、展開した。
「展陣!!」
激突する両軍。
エネルギーが飛び散った。
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